身体の部屋
チャレンジナンバで考える
2009 年 4 月 15 日 水曜日月に一回、川越に行きチャレンジナンバを行っている。今月は、脳性麻痺・二分脊椎症・筋ジストロフィーの子どもたちが集まった。その子どもたちに運動療法を指導するのだが、運動療法といっても新しい運動回路の開発をするということである。
今まで動かなかった腕や脚を、まず親が動かしてやり、そのあと子どもが自分で動かすように努力する。そのときに気をつけなければならないのは、痛ければそれ以上は無理をしないということである。ここが大事なポイントで、痛いことを無理やりやらない。痛いということは、身体が嫌がっていることであるから、そんなことをしても効果は上がらない。痛いのを我慢してやれるのは、監視されているときくらいで、自分から進んで行おうとはしない。
新しい運動回路を創るといっても、痛いのを我慢してではいい運動回路は出来ない。痛くない身体が心地いいという方向で進めないと、身体は拒否する。運動学的に見ると、身体にも意志があり、身体は気持ちいいことをしたがっている。それに沿って運動回路を開発していくようにしなければならない。我々が指導していていつも聞くのは、「痛くないか?我慢しなくていいよ」ということである。痛みを我慢しなければならないリハビリなんて、我々ナンバ的に考えれば信じられない。チャレンジナンバで行っているのは、ナンバ的な考え方に沿ったリハビリである。
そして、何より大事なことは親子関係である。障害を持つ子どもを抱えると、親子関係がお互いに依存し合う共依存となり、この関係を崩したくなくなる。その共依存の関係が、居心地いいものとなる。まず、この共依存の関係を崩さなければならない。親と子どもが、お互いに自立するという決心が必要になる。親子がお互いに自立するとは、子どもがしようとしていることに、親が手を出さないで待つということである。今まで親がやってあげていたことを、子供にやらすということである。そうすれば、子どもは自分で出来るという達成感があるし、それが自信になる。親にすれば、少しでも子どもから手が離れれば、自分のやりたいことが出来るというものである。子どもの面倒を見て、勝手に自己満足をしていてはいけない。そういうことは、折に触れアドバイスを行う。
しかし、グループで指導をしていると、いい仲間関係が生まれる。お互いにリハビリの回復具合を競い合うようになる。微笑ましいくらいいいライバル意識であり仲間関係である。だから、我々も指導を行なっていて、暗く沈むことは決してなく笑いが出るくらい明るくやっている。
私の心の重さが取れるのは、この子どもたちが車椅子から離れ自分の脚で立って歩けるようになってからだろう。そして、一緒に酒でも飲めたら最高なのだが。
4月15日 矢野
