身体の部屋
ナンバによるリハビリそして更なる身体機能の進化
2010 年 3 月 4 日 木曜日2009年二月五日朝、
海外の仕事先にて、交通事故に遭い、救急車にて国立病院へ搬送される
危篤状態に近く、日本にいる家族へ緊急連絡が行われた
意識不明の上、出血多量、直ちに緊急手術が施された
二月六日、意識が回復したものの、依然、出血状況は危険な状態
手術担当医からは「手術は成功したが、依然危険な状態で、命の保障は出来ない」と
急遽日本からかけつけた家族へ告げられた
二月七日、出血量が400ccまで下がり、肝臓の損傷状況も改善。
医師からは「出血量が降下し肝臓の悪化状況も改善、なんとか一命を取り留めました」との報告
依然、肺には血液が充満しており自力呼吸は不可能、人工呼吸装置による酸素供給
及び集中治療室にて常時観察が必要な状態であった
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左側肋骨:9本骨折
右側肋骨:1本骨折
フレイルチェスト(気胸、血胸)
肝臓損傷
全身の外傷
尚、失血量は3000cc近くに至った
通常は一命を落としてしまうケースなので奇跡的な生存であった
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集中治療室(ICU)にて人工呼吸装置及び体中にチューブが装着され
寝たきりの安静状態での入院生活が一ヶ月近く続いた
日本への帰国も飛行機の気圧の関係もあり、
飛行機に搭乗できる状態になるまで、ホテルにて更に一ヶ月ほど待機した
このホテル滞在時に起きる出来事が、後に自分自身をナンバへ導いてくれることになる
万が一、他人と接触し転倒した場合、即入院の恐れもあり外出は極力避けた
ある日、診察の為、ホテル出口から迎えの車までを歩いていたときに
前方の人込みから、いきなり後ろ向きのまま人が目の前に飛び出してきた
退院したばかりで歩くこともやっとの自分には避けることは不可能
間違いなく、ぶつかられ転倒し、最悪の状況を迎えることが一瞬頭をかけめぐった
しかし、次の瞬間、自分の体が畳み込まれるように平らに変化し
紙一重でかわした直後、体は一瞬のうちに元の姿勢に戻り
全く、何事もなく自分の体は静かに前へと進んでいた
頭の中はパニック寸前にも関わらず、体は本能のままに自然に
無駄なく動き、そこに危険があったことさえ意識させなかった
今、思うとナンバの身体運用法にある身体(BOX)を
股関節、胸骨ともに折りたたむように方向転換し
平行四辺形に変化しまた元に戻る動きそのものだった気がする
この出来事以来、この衝撃的な感覚は心に刻まれ、この感覚を求める自分に気づいた
今現在でもこの感覚は忘れていない
ようやく家族の介添えで日本に無事帰国、「生きて祖国に帰ってこれた」
喜びと感謝で胸がいっぱいになった
しかし、ここから厳しい現実と直面することになる
日本の病院にて精密検査を受け、結果報告を受けたが
自分にとっては、死の宣告に近いものだった
「10本骨折のうち、4本は回復していますが、残りは一生癒合することはありません
変形した左側の肋骨が影響し左肺の機能は年齢とともに徐々に悪くなります
激しい運動は不可能ですが、幸い日常生活はなんとかなります」
病院を出る時にはさすがに涙がこみ上げてきた
別の専門病院にて精密検査を受けるがセカンドオピニオン、サードオピニオンも同じ内容であった
治癒しないとわかった上での、つらく苦しいリハビリと薬の投与による治療が待っているだけだった
不安な心にたたみ掛ける様に癒合しない肋骨の激痛が襲う、
鎮痛剤に手が伸びた、しかしその時に手にした鎮痛剤を全てを捨てた。
「痛みを感じるのは生きている証だ、それでいい」
「リハビリは受けない、自分の人間力にかけてみる」
そう決意した、もう迷わない、リハビリは自分のやり方でやる、自分の体なのだから
幸いにも手足は無事、歩くことからはじめ、歩き始めた。
呼吸は浅く、1km歩くのも困難だった、筋肉痛の脚は湿布だらけになり、腰痛にも苦しんだ
「歩くことがこんなにも辛いとは。。。なんとか効率よく歩けないものか」
歩くことに対する研究心が芽生え、効果的なリハビリを探している時に、心身技術研究所のサイトに目が留まった
「ナンバ」という言葉は聞いたことはあるが、詳しい内容は何一つ知らなかった
「うねらない・ひねらない・ふんばらない」この言葉に惹かれるようにサイトを夢中で見て、
ナンバ式骨体操のDVD及び著書を数冊、早速、購入し実践し始めた
未知の身体運用法に対して疑いの心は一切なかった
来る日も来る日も「骨体操」と「ナンバ歩き」を実践した
骨体操の実践により体の稼動範囲がよくなってきた上に、痛みも減ってきた
何よりも「骨」を意識しながら、身体を動かし、自分の体と対話すること
自分の怪我にはこれが一番重要であったと今でも思う
「ナンバ歩き」によって歩く距離は飛躍的に伸びた
歩いていて辛くないのもすごいが、とにかく疲れなかった
1km歩いただけで唸っていた自分が、20kmを平気で歩くようになった
上体がリラックスして安定するため、視界が良く景色が楽しめる上に
周囲の状況にも敏感になる、花の香りや川のせせらぎ、風の音まで
全身で感じることが出来た、歩くことは苦しいことから楽しいことへ変化して行った
平坦な道から山道や寺の長い石段へとコースを変えていき、負荷すらも楽しむようになった
一人きりでのリハビリだが孤独感は一切なかった、自分自身と身体が常に対話をしていたからだ
ナンバによるリハビリを続けてしばらくしてから、病院にて再度、精密検査を受けた
肺機能は90%まで回復、変形している骨にも良好な変化が見られた
医者は一命を取り留めたこと自体が奇跡にであるのに
これほどの回復を半年で実現していることに驚愕した
「奇跡的な回復力ですね、もう、運動も仕事も出来ます」
医者にそう言われ嬉しかったが、自分では既に分かっていた
悪い箇所だけを集中してリハビリしたのではなく、
ナンバにより全身の各部位と自分が対話し、トータルでの身体機能の進化が実現し
無理をせず「気持ち良い」を基本とする概念により、リハビリ中の心のあり方も安定し
「身心如一」を身を持って理解できた為、超人的な回復が出来たのだ
事故から一年近く経過した2010年元旦、
25年継続している恒例のサーフィンの元旦・初乗りを仲間と共に行った
驚くことに身体機能が進化した為、股関節は事故以前よりも柔軟且つ素早く動き、
捻らない事により無駄な動きはなくなり、一年ものブランクに関わらず、
今までより速く、キレのある動きが出来たのである。
自分自身も心底驚いたが、万が一に備え、見守っていてくれたサーフィン仲間も唖然としていた
撮影してくれたビデオを見ると、確かに事故以前よりも更にレベルが向上していた
事故以前の健常な時より、速く走れるようになった上に
動きは素早くなり、力も効果的に出せるようになった。
事故以来、今までまだ風邪すら引いたこともない。
不思議と病気も怪我も全くないのである
ここまで、一人の人間の身体能力及び回復力に効果のあった「ナンバ」。
最高のリハビリ効果を出した、「ナンバ歩き」、「ナンバ式骨体操」。
自分の身体機能が全体で進化し、怪我の箇所までもカバーし
トータルでの人間力が大きく向上した事は、自分の身体で理解できた
まさしく、自分自身が「ナンバ」の効果の生き証人である。
「ナンバ」は私の人生を大きく変えてくれ、心より感謝している
今後は、「ナンバ」の更なる実践と身体感覚を探求し
より深く、そして一生つきあっていきたいと思う。
本当に有難う「ナンバ」。
生きていることは素晴らしい!
2010年3月
西村 尚剛
