身体の部屋

ナンバ歩きの効率性

2010 年 5 月 26 日 水曜日

「ナンバ歩きに取り組んでみたけれど、一般の歩きよりもエネルギー代謝が高く、効率が悪いじゃないですか」とよく言われる。それは、効率に関する考え方が違う。これは、科学というものにどっぷりと浸っている人にありがちだが、数字がすべてで人間というものがすっかり忘れられているから、私とまったく違う見解になる。

例えば、ここに360ccの軽自動車と3000ccの高級乗用車がある。車の効率といわれている燃費を見ると、高級乗用車よりも軽自動車のほうが燃料リッターあたりで走る距離が長いので、軽自動車のほうが効率がいいと考える。では、この軽自動車と高級乗用車で、東京から大阪まで500km以上の距離をドライブしてみよう。燃料代は軽自動車のほうが圧倒的に安く、効率的に見える。しかし、車を運転した人間の疲労度を見ると、軽自動車よりも高級乗用車を運転したほうが、はるかに楽なことは明らかである。

我々は、こういうことを言っているのである。エネルギー代謝を測る数値は、車の燃費である。それだけで効率が測れるのか。運転している人間の、疲労度とかは無視するのか。それが、科学の落とし穴である。人間の疲労度とか、運動することの快適さ、爽快さなどは測ることが出来ない。

機械で測定できるものだけで結論を出し、それを振り回すのは、いかにも愚かである。人間がやっていることである。人間の研究をし、もう少し人間を理解し、その上でものを言わなければならない。機械で測定した数値だけで天下を取ったように思っても、それはあなたの独りよがりだろう。

人間が運動するにしても、生きていくにしても、気分とか感情や感覚が非常に大事になることを忘れては、人間を扱っているとはいえないだろう。もう少し視野を広くして、発想も豊かにしてもらいたいものである。

ナンバ歩きは、一般に行われている歩きよりも、歩くことに全身を使おうとする。一般の歩き方は、下半身主体で上半身は歩きに参加していない。ナンバ歩きは、下半身と上半身を連動させて、出来るだけ全身で歩くという運動を分担する。だから、エネルギー消費は多くなる。しかし、全身で運動を分担するので、運動を行う楽しさや爽快感を味わえるし、全身で運動を分担したので局所が疲れることなく、快い疲労感が残るだけである。
こういうのがナンバ歩きなのです。右手右脚を同時に出すのがナンバ歩きだとか、ナンバ歩きはみっともないなどと、ナンバ歩きを間違ってしか捉えられない人は、一度ナンバ祭りに参加してナンバ歩きを体験してみればいい。誤解していることを、さも分かったように言うのは、非常にみっともないことですよ。

5月26日 矢野

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