心の部屋
イチローにおけるナンバ
2009 年 9 月 16 日 水曜日イチローが、大リーグで9年連続200本安打という快挙を達成した。これは非常に喜ばしいことであるし、日本人を元気にする。
イチローに関しては、ずっと注目してきているが非常に素晴らしい選手であることは勿論、非常にナンバ的でもある。イチローがナンバを知っているのかどうかは分からないし、我々の本を読んでいるかどうかも分からない。しかし、イチローの動きを見ていてもナンバ的であるし、考え方もナンバ的である。一度機会があれば、イチローと話してみたいものである。
イチローの様々なナンバ的なものの中から、一番基礎になっているものを取り上げると「野球が好きだから」ということがある。「仕事で遊ぶナンバ術」(ミシマ社)でも書いたが、一流の仕事師はみな「好き」から始まっている。騎手の武豊にしても作家の司馬遼太郎にしても、好きなことを仕事にして楽しんでいる。イチローも同じように、仕事で遊べると思う。
「好き」ということが原点で、非常に大事なことだとナンバでは言っている。「好き」というのは、気持ちの問題・心の問題である。そういうと、誰だって好きなことくらいあると反発されそうである。しかし、好きという事にもレベルがある。好きといっても、大好きでなければならない。大好きというのは、多くのものから一つだけを選ぶことである。一つを選ぶということは、多くのものを選ばないということで、捨てるものが多い。いわゆる、多くのものを犠牲にするということである。
そして、「大好き」に進んでいくと、自分で創意工夫して困難を乗り越えていくことが楽しくなる。だから、継続できる。ここがナンバ的である。人は、イチローは、同じことを几帳面に繰り返すことが出来るという。しかし、それは違う。一見同じことのように見えても、イチロー本人は常に新しい感覚で行っているはずだ。これもナンバと同じことで、自分の感覚を大事にするので、やっていることだけを見れば、同じことを繰り返しているように見えるだけの話である。
イチローの「野球が好きだから」という一言が含んでいる多くの意味を読み取らないと、自分にだって好きなものはあるだけで終わってしまう。ナンバでは、自分の好き・嫌いを判断の基準にしろと言っているが、好きのも嫌いにもレベルがあり、そこのところが通じないと誤解されてしまう。
イチローには非常に注目していて、その考え方や動きは我々の言っているナンバと共通する部分が多い。イチローの考え方や動きに関しては、これからも時々取り上げていこうと思っている。大リーグで、これだけ活躍できる日本人がいることは誇りであり、これからも応援していかなければならない。
9月16日 矢野
