教育の部屋
チャレンジナンバでの出来事
2010 年 3 月 22 日 月曜日ちょっと時間が経ったが、これは報告しておいたほうがいいと思うことがあるので、ここに報告する。月に一度川越で(基本的に第三水曜日の夕方から)行っているチャレンジナンバでの出来事である。
何回か報告しているが、ここには重度の身体障害をもった子供たちが参加している。そして、一度は諦めていた身体機能の回復や動きの改善に取り組んでいる。希望を見出したといったら、少しニュアンスが違う。それでは軽いし、カッコよすぎる。人間のもっている潜在能力をどうやって引き出すか、可能性を諦めないという泥臭い作業である。
そういう作業を子どもたちを一緒に共同でやってきた。そうしているとき、幼児のときにインフルエンザにかかり、脳性麻痺を併発し四肢機能麻痺になった少年がいる。我々の前に現われたときは、脚は動かないばかりか、少し触ったりすると痙攣を起こすような有様であった。そこから、心をほぐし身体をほぐして、ナンバ式骨体操で自分の意志で脚を含めていろんなところが動くようになってきて、本人も楽しく取り組んでいた。
そんな矢先に、まだまだ脚は動かすのに不自由があり、股関節を脱臼した。そして、病院にいき医者に見てもらったという。そこまでは、ああそうかというごく一般的な話である。驚いたのは、その医者が言ったことである、何と「どうせ動かない脚だからこのままでいいんじゃない」ということである。最初は驚きだったが、次第に怒りがこみ上げてきた。何ということを言う医者だ。
チャレンジナンバに参加して、麻痺していた部分がだんだんと動くようになってきているときに、「どうせ動かないんだから放って置いてもいい」とは、医者の言うことか。その上「どうしてもというなら手術しかない」と言ったそうである。診断は、股関節脱臼である。股関節脱臼で手術などということは、聞いたことがない。脱臼した脚をもとに入れれば、それで済むことである。
最近の医療なのか医者なのか、その現状を見たような気がした。それにしてもヒドイ。身体障害者を前にして、「どうせ動かないから」と言える神経は、とてもまともな人間ではない。そんなのが医者である。そして、スポーツに関わっている人間からしたら、脱臼したらもとに入れて戻せばいいと思うのに、簡単に手術などという。これで怒りがこみ上げてこないようなら人間を止める。すべての医者がこうだとは思わないが、こんな医者も世間にはびこっている。
教育の世界で先生と呼ばれているものにも人間教育が必要だが、医者にも人間教育が必要である。何で医者を目指したのか、医者とはどうあるべきか、人間と正面から向き合えるのか、よく考えて医者になるべきだし、そういう教育抜きの技術だけの医者なんかいなくてもいい。まだ技術があればいいほうで、肩書きだけで威張っている医者は、抹消しなければならない。
3月22日 矢野
