教育の部屋
世界陸上にみる「ひたむきさ」
2007 年 8 月 30 日 木曜日大阪での世界陸上の男子100mの決勝を見た。
世界記録保持者のパウエルと全米チャンピオンのゲイとの闘いで注目を集めるレースであった。しかし、パウエルには失望した。パウエルはスタート良く飛び出してレースの主導権を握った。しかし、70m付近でゲイに並ばれると、あっさりと抜き去られた。それはレースではあることだろうが、ゴール前でパウエルが力を抜いたことが失望の原因である。世界中が注目しているレースで、最後まで走り切らないで力を抜くとは競技者として最低である。
マスコミなどは、「1番でなければ2番でもビリでも同じ」などと気楽に言う。しかし、それは間違っている。競技者たるもの、正々堂々とベストを尽くすことが一番大事である。競技者全員がベストを尽くすからこそ勝者はより輝くし、敗者も讃えられる。若い競技者は、このパウエルの真似だけはしてはいけない。また、指導者も、ゴールラインを超えるまではベストを尽くすことを徹底して指導しなければならない。せっかくの注目のレースが、パウエルの手抜きで後味の悪いものになってしまった。
全米チャンピオンのゲイは、非常に気持ちがよかった。ゲイは、目を見開き集中し全力でゴールを目指して走った。そして、100mのゴールまでを全力で走るのではなく、ゴールの向こうまでも走り抜けた。競技においては、強い弱いは当然ある。しかし、大事なことは「ひたむきに全力を出す」ということである。全力を出し切らない者に限って、すぐに言い訳をする。誰も言い訳などは聞きたくないし、言い訳をしている限り次はない。
ひたむきに全力を出し切るということは、本番の時だけやろうと思っても無理だろう。練習や日常生活、すべてにおいて全力で取り組むという姿勢が大事である。普段から全力を出し切ることをやっておかないと、ここ一番で出そうと思っても出るものではない。このことは、スポーツだけに限ったことではなく、すべてのことに言える。そして、全力を出すというのは身体活動を伴ったほうが自覚しやすい。「やれば出来る」というのは、やらない者の言い訳である。普段からやっていることが、大事なときにも出るのである。
ひたむきなゲイに乾杯。
矢野
