矢野先生のコラム

スポーツの爽やかさ

2010 年 5 月 10 日 月曜日

先週の女子プロゴルフトーナメントでの出来事である。ある選手が、スロープレーで二打罰を言い渡され、それを不満として途中棄権をした。スロープレーをいうのは、明らかにプレー進行が遅く、同伴競技者や後続の選手に迷惑をかけることである。ゴルフという競技は、マナーが最初にくる競技で、その後にルールというくらい、他人に迷惑をかけることを嫌う競技である。

スロープレーには、競技委員から注意があって、それでもプレーが遅いままだったから二打罰ということになったのだろう。ゴルフは、自分のペースで、他人のことを考えず、じっくりと時間を掛けてプレーすることを許さない。自分ひとりの落ち着いてなど、まったく通用しない世界である。

ゴルフをプレーする人なら経験があると思うが、前のパーティーがノロノロとプレーしていると、イライラするはリズムは狂わされるで、本当に頭にくる。そして、前のパーティーがそれに気がつき、スルーさしてくれればいいが、そういうパーティーに限って後続のことなどまったく気にしていない。気遣いがないというのか、自分のために世界は在ると思っているのか、まったく傲慢である。

そういうスロープレーがトーナメントで行われれば、それは当然二打罰であろう。しかし、プレーをしていた選手は、それが納得できなかったらしく、その二打罰を不服として競技をホッポリ投げて棄権してしまった。一夜明けて選手は、自分が大変なことをしてしまったと反省し、大会本部に謝りにあった。そのときの、樋口久子会長の対応が素晴らしい。「ルールを守りなさい。それが出来ないなら辞めなさい」と毅然とした態度で対応した。

こういう場合、理屈などはいらない、みんなルールの中で自由にやっているのだから、ルールを守るか辞めるかだけである。そこを曖昧にしたり、変な理屈を振り回すから、ワケが分からなくなる。きっぱりと言い切ればいいのだ。そして、処分については、これから充分に検討すればいい。久しぶりの爽やかな裁きに、大きな拍手を送りたい。

冬季オリンピックであった、日本代表のユニフォームを汚すようなことをした男子モーグルを抱えている協会の対応はどうだったか。まったく、はっきりしない。日本代表の選手として行動できなければ、即刻代表から外せばいいのだ。協会によって、こうも対応が違うのは、協会の代表選びにも問題があろう。協会の代表が、毅然とした態度で判断し、実行すれば、スポーツというものは本来もっている爽やかなものとなるはずだ。

協会の代表だけでなく構成員みんなが、毅然とした態度を示せないと、スポーツ自体が堕落していくことになる。もっとスポーツを大事にしよう。本来スポーツは、素晴らしいものであるから。

5月10日 矢野

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