矢野先生のコラム

タイガー・ウッズをどう見るか

2010 年 4 月 12 日 月曜日

今朝、春のゴルフのメジャー大会の幕開けであるマスターズトーナメントが左利きのミケルソンの優勝で幕を閉じた。

世界中のゴルファーの中で、マスターと呼ばれる限られた人たちしかプレーできない由緒ある大会である。注目すべきプレーヤーはいくらでもいるのに、マスコミはタイガー・ウッズを大きく取り上げている。タイガーは、去年の年末に不倫が発覚し、大いにマスコミを騒がせ、ゴルフトーナメントへの出場も自粛していた。今回のマスターズを復帰第一戦に選んで、注目の中出場してきたのである。そして、結果は優勝こそ逃したが堂々たる四位である。

タイガーは、現在世界トップのゴルフプレーヤーであることに変わりがないということを証明した。しかし、これでタイガーを許し、復帰を受け入れていいものだろうか。ゴルフでは、アーノルド・パーマー、ジャック・ニクラウス、トム・ワトソンなど世界のトッププレーヤーに君臨し、人格的にも多くの人々に尊敬されてきた先人たちがいる。タイガーは、その後を継いで行くプレーヤーだと誰もが認めていた。そこで出てきた不倫騒動である。

一般の人間なら、フィりんと言えば夫婦間の間だけの問題である。しかし、ゴルフの世界ナンバー1のプレーヤーであるタイガーの不倫は、そんなに簡単に決着をつけてはいけないと思う。ゴルフのナンバー1プレーヤーということは、少年少女の憧れの人である。スポーツに関われば、強いだけでみんなが認めてくれることなんてあり得ない。日常生活での立ち居振る舞い、言動にはみんなが注目しているし、そういう人の模範たるべきである。トップに立つということは、自分が望む、望まないに関わらず、そういうことを引き受けなければならない。それなくして、その世界に足を踏み入れてはいけないのである。タイガーもそうしてきたが、不倫が発覚したということである。タイガーであるからこそ、たかだか不倫で済ましてはいけない。

これから、ゴルフ界は、タイガーの復帰をもろ手を挙げて歓迎し、何もなかったかのようにプレーにだけ注目していくだろう。タイガーがいないゴルフ界では、経済効果はがた落ちであるから。また、マスコミもタイガーの素晴らしさをこぞって書き立てるだろう。そうしないと、読まれない、売れないという状況が続くから。ゴルフ界もマスコミも、タイガーを商品としてしか見ていないからそうなる。それでいいのだろうか。

我々一般人には、タイガーは商品でもなければ何でもない。世界中から注目を集めるだけのゴルフの才能を持った人間がこれでいいのかと、自分自身で判断すればいいだけのことである。マスコミなどの言い分に惑わされず、自分なりの判断でタイガーを見ればいいだけのことである。

タイガーのゴルフは素晴らしいが、人間性には幻滅している。

4月12日 矢野

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