矢野先生のコラム
マスコミに振り回されるな
2010 年 3 月 2 日 火曜日やっと冬季のオリンピックが終わった。苦手な冬のスポーツのため、夏ほどは気合を入れていなかったが、やはりテレビで見てしまった。どんなスポーツでも、動き自体を見ていることは楽しい。それは幼稚園の運動会からオリンピックまで、同じように楽しい。レベルは違うにしろ、人間が動くことに変わりなしという目で見ている。
しかし、迂闊であった。朝から晩までテレビはオリンピック一色、新聞も一面からオリンピックである。マスコミに踊らされてはいけないが、世の中オリンピック以外は何もないのではないかという錯覚に陥る。しかし、少し冷静に考えれば、オリンピックなどとはまったく関係なく生活している人のほうが圧倒的に多いのである。オリンピックが楽しめる自分は、恵まれているだろうと正直に思う。
しかし、しかしである。雪の上や氷の上だけが世界ではない。芝生の上の世界もあるのだ。そう、暖かいところではゴルフが行われている。アメリカ女子ゴルフツァーが開幕して、緒戦で宮崎藍ちゃんが優勝した。これだけでも凄い話題であるのに、なんと第二戦でも優勝し開幕連勝で今シーズンをスタートした。これは快挙である。
藍ちゃんは、高校生のとき女子プロツァーで優勝し、プロに転向し活躍してきた。日本に居れば、勝てるしチヤホヤされるし、ゴルフ以外の仕事も入ってくることは目に見えている。それは、高いレベルでの安易な考えである。日本で威張っていることは容易であるが、もっと高いレベルの舞台があるのだ。
確かに日本のツァーは賞金はいい。しかし、ゴルフのレベルはというと、アメリカツァーにはるかに及ばない。世界は広いし、より高いレベルで闘いたいと思わないのは、もうそれで競技は終わっている。どんどん高いレベルの舞台を求めて、勝負に行くのがスポーツマンであろう。日本の中でお山の大将をやっているのは、見苦しい以外の何物でもない。
藍ちゃんは、四年前からアメリカツァーに挑戦し、去年やっと初勝利を挙げた。やはり世界で闘うためには、まずその雰囲気や習慣に慣れなければならない。ぱっと行って勝てるほど甘くはないし、例え勝てたとしても交通事故のようなもので計画的ではない。
アメリカで本拠地となる家まで用意してアメリカツァーに挑戦している、藍ちゃんの姿を参考にしなければならないスポーツマンは数多いはずである。藍ちゃんは、たまたま勝てたのではなく、勝つために必要な準備を整えてきて勝てたのである。そうすれば自信もつくし、ますます挑戦意欲が高くなってくる。
その藍ちゃんが、日本の女子ツァーの開幕にあわせて帰ってくる。うるさく騒ぐのではなく、静かに見守らなければならない。口が動いているときは、頭は止まっているから、静かに静かに。
3月2日 矢野
