矢野先生のコラム

仕切りなおし

2009 年 7 月 22 日 水曜日

昨日、横丁のタバコ屋にタバコでも買いに行くようなつもりで、心臓の手術を受けに入院した。

ここまで気楽に入院しては、いけない。一昔前なら、心臓に異常が発見された時点で四人に一人が死亡していたと説明を受けた。それなら、サイコロを振るより確率が高いではないかと、内心驚いた。その上に、こんなに心臓の大きい血管が狭くなっていれば、血流量は10%~20%くらいしかないのではないかと言われた。だから、この血管がちゃんと働いたら、血流量が何倍にも増え体調がよくなるに決まっていると力説された。まあ、いまさら説明を受けても、手術を受けに入院したんだからと、そこそこで聞いていた。
心臓の血管を広げるためにカテーテルでネットを運び、狭くなったところで広げるといわれまったく納得した。しかし、そのネットが金属製だという。そこで、私は金属アレルギーがあると告白すると、医者はビックリした顔で驚いている。「なぜ、それを早く言わない」と言われても「私は、何も聞かれていない」と言うしかない。
私が金属アレルギーだと気がついたのは、大学生の頃にメガネをかけるようになってから、メガネのフレームの皮膚に触れるところが爛れるようになってからである。そして、すべての金属がダメかと言うとそうでもない。18kは大丈夫だし、シルバーもチタンも大丈夫、そしてダメはまったくダメという厄介なものである。だから、鼻輪も耳輪も、簡単には出来ない。それなのに、ことは心臓である。
心臓の血管に金属を入れて、アレルギー反応が出ればと言われても。身体の表面と血管の内側は、同じだろうか。血管の内側が金属によってアレルギー反応を起こしたら、どんな痒さになるだろうかと考えている場合ではない。医者は、安全性から見て金属のパッチテストを行ったほうがいいと言う。それがすぐに出来るなら、何の問題もない。
まず、ネットに使われている金属のサンプルを取り寄せ、それを皮膚に貼り付け何日か様子を見なければならないと言う。じゃあ今回の入院はと、素朴な疑問が湧いてくる。「明日、朝飯を食ったら帰っていですよ」と出鼻をくじかれるような一言。まったくもって、何のための入院かと言いたくなるが、これも仕方がない。手術の前の検査が、一つ足りなかったということである。
反省をしてみるに、私もよくない。横丁のタバコ屋にタバコを買いにいくような、不届きな気持ちで入院しようという心構えがなっていない。こんなことだから、追い返されたのだろう。アポロ13号に乗り込むような気持ちで入院し、無事帰還できるかとヒューストンと連絡を密にするくらいの気持ちで入院しなければならない。映画「アポロ13号」必見。
来週の火曜日に再入院であるが、宇宙服は着ないでも気持ちはアポロ13号に乗り込むくらいでいこうと思う。

7月22日 矢野

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