矢野先生のコラム
失礼ながら親子ほども違うのに
2010 年 1 月 4 日 月曜日スピードスケートのバンクーバー五輪代表選手が、年末に発表された。それを見ていて、スポーツの年齢の幅の広さに驚いた。北海道の中学三年生である高木美帆選手は十五歳で、五輪出場規定の最年少である。そして岡崎朋美選手は、三十八歳で五大会連続の五輪出場である。岡崎選手には非常に失礼ではあるが、親子で五輪出場のような歳の離れようである。
スピードスケートの世界はよく知らないが、若手でトップレベルまで上り詰めるのは何となく分かる。それよりも、三十八歳という年齢でトップにい続ける岡崎選手の立派さはどうだろう。最年少の高木選手は1000mにエントリーし、岡崎選手は500mにエントリーである。最も距離が短く瞬発力を要求されるショートスプリントに、岡崎選手は挑むのである。それも、五輪五大会連続とは、これは驚きである。
岡崎選手が出場する500mという競技は、もちろんスタートダッシュやコーナーリングという技術も必要であろうが、圧倒的にスピードがなければ闘うことが出来ないだろう。陸上競技でもショートスプリントは、スピードがないことにはお話にならない。技術はどうしても補助的なものになってしまう。そして、スピードがありそれを維持する技術があっても、年齢を重ねていくということは一番の障害になってくる。そういうハンディキャップを乗り越えてスピードスケート500mの五輪代表に決まった岡崎選手は、本当に素晴らしい。
五大会連続の五輪出場を決めるまでには、怪我や故障もあったことだろうし、スランプや引退も考えたに違いない。どんなスポーツでも、ポットでの素晴らしい選手はいる。そして、瞬く間に消えていく。私は、トップレベルを長く維持できる選手こそが、素晴らしいスポーツ選手だと思っている。打ち上げ花火みたいに一瞬華々しいなどというのは、どう考えても素晴らしいとは思えない。一つのことをやり続けるということは、簡単そうに見えるかもしれないが、そこにいろんな真実が詰まっていると思う。目先を変えていろいろやってみるとか、もう限界だとすぐ諦めてはいけない。
岡崎選手といえば、長野五輪でのレースくらいしか記憶にないが、それもかなり月日が流れたか。こういう選手がいることは、日本のスポーツ界の誇りであるし、学ぶべき事がたくさんあると思う。私も、岡崎選手からいろんなことを学ばしてもらおうと思う。そして、バンクーバーでは、大いに応援しようと思う。単純にメダルを期待したりするのではなく、その一挙手一等足に注目し、どこに素晴らしさの秘密があるのか探りたいものである。
また一つ、バンクーバー冬季オリンピックの楽しみが増えた。
1月4日 矢野
