矢野先生のコラム
忙しくなんかないだろう
2009 年 5 月 26 日 火曜日私の周りにもいつも「忙しい、忙しい」とまるで叫んでいるように言っている人が少なくない。そんなに忙しいのだろうかと、他人事ながら気にかかるときがある。しかし、忙しいと言っている人をよくよく観察してみると、ただ単に身体と頭がバタバタしているだけのように見え、その忙しさが全然伝わってこない。しかし、どう見てもバタバタしている。
今まで忙しいと言っている人は、単に頭の中が混乱して優先順位がつけられない人かと思っていたら。頭の中が混乱していることには変わりがないのだが、それに万能感まで備わっていることに最近気がついた。それは、自分は何でも出来ると思っているから、頼まれたことは何でも引き受けてしまって困っていることも一因としてあるみたいだ。私みたいな不器用な人間から見れば不思議でならないのだが、本当に何でも出来ると思っているとしか見えない。
私などは普段から、自分に何が出来るかよりも、何が出来ないかを考えておく。そうすると、自己嫌悪に陥ってしまいそうなくらい出来ないことのほうが多い。しかし、出来ない事を整理しておくと、頼まれたときにも間髪をいれずに断れる、なんせ出来ないのだから仕方がない。こういうときは、全くといっていいほど迷いがない。そういう生活の整理は出来ている。しかし、自分に何が出来るかという少ない項目を考えるのも、悲しいものである。もう少し自分に力があればと思うのだが、神も誰も与えてくれない。ただコツコツと出来ることを増やしていくしかない。
そう思うと、忙しいと言っている人がうらやましくもあり、自分も忙しいと言ってみたいものである。心の微妙なところをくすぐる「忙しい」を言えば、かっこいいような気がするし、そんなことを平気で言える人がうらやましい。何かものすごく仕事をしているみたいだし、世のため人のためになっているような、自己満足感が味わえるのではないだろうか。私も、演技でもいいからちょっと眉間に皺を寄せて、小走りで「忙しくて」とつぶやいてみたいものである。そうしている自分が絵になればいいのだが、笑いものになりそうで勇気が出ない。やはり「忙しい」と言うには、小心すぎるのかもしれない。
そんな私が助言をするのは、いささか出すぎているとは思うのですが独り言だと思ってください。「忙しい」と言っている人は、まず自分の何でも出来るという万能感は、単なる妄想だからすぐに止めたほうがいい。あなたには、そんな実力はないはずだ。そして、普段から頭の中を整理整頓しておいたほうがいい。そうすれば、「忙しい」などと言わず、もっと楽しく幸せに生きられるはずです。聴きたくない人は、これはなかったことにしておけばいいから。こんなことで腹を立てるのも、忙しくする原因だから。
5月26日 矢野
