音楽の部屋

仲道郁代を聴いて

2007 年 11 月 12 日 月曜日

先日、仲道郁代から演奏会の招待状が届き、仲道のピアノ演奏を聞きに出かけた。

仲道は、高校時代に私が担任をしたというだけで、私の教え子の一人である。実際は、何も指導をしていないが。その仲道が、デビュー20周年リサイタルを行うということである。会場は有名なサントリーホールである。私は酔っ払っていても、国立競技場ならどこからでもいける。しかし、サントリーホールは難しい、溜池山王の駅を出て二三人の人に行き方を聞いてやっとたどり着いたような状況である。サントリーホールは初めてではないが、どうも覚えられない。私には、似合ってない場所かもしれない。

会場について驚いたのは、あの広いサントリーホールがほぼ満員状態である。仲道もたいしたものではないかと思いながら、開演を待った。

そして、いよいよ仲道登場である。まずは、あの小さな仲道が多きく見えることに驚いた。これは人間的にも成長したし、演奏家としても成長したことの無言の証しであろう。そして、最初からアンコールまで一言の言葉もなく、ピアノだけで語り続けた。立派なものである。

仲道のピアノが鳴り始めると、そこに「ナカミチの世界」が立ち上ってくる。そして、私を含め聴衆は「ナカミチの世界」に勝手に引き込まれていく。快い音たちが耳から入ってきて、酔わしてくれる。それはもう素晴らしいと言うしかない。もしも、仲道のピアノを聴いたことがない人は、是非コンサートホールで聴いてみてください。10年位前にも仲道のピアノを聴いたことがあるが、格段に進歩していることに驚かされた。そして、アンコール曲を弾き終わると、聴衆からの温かい拍手に包まれて満足そうな仲道がお辞儀をしていた。あれだけ多くの人たちに愛され、ピアニストとしても成長している仲道を見て、勝手に安心するしかなかった。

教え子の成長を見ることは、非常に嬉しいことである。教え子たちは、世界中を股にかけて活躍していると思う。しかし、私は演奏会などの情報は全くないので、招待状でも送ってもらわないと全くの蚊帳の外である。そして、ふと我に返ると、なんとも進歩のない自分が情けなくなる。

私は、お気に入りの教え子は、ずっと応援している。仲道もその一人で、楽屋へなどは尋ねないが、遠くからいつも見守っている応援団長である。その夜は、仲道よくやったと、一人で祝い酒に酔った。

矢野

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