陸上部
ブラジル遠征 4
2007 年 8 月 13 日 月曜日いよいよ視覚障害者陸上競技世界選手権大会が始まった。
初日は、白井の練習スケジュールでは休養になっていたので、ホテルでのんびりと過ごした。大会二日目にスタジアムやウオーミングアップ場、召集場の下見とウオーミングアップのリハーサルをかねて大会会場に足を運んだ。
朝の8時からの競技から見てみたが、とても世界選手権をやっているとは思えない。平日の朝8時ということもあるが、観客は大会関係者以外にいるのかどうかも疑わしい。この日は、気温30度以上になるとの予報だったが、確かに暑いが湿度が低いため爽やかである。
しかし、ウオーミングアップのリハーサルを行うと、ブラジルに来て初めて汗をかいた。それだけ昨日までが寒かったし、今日は平年並みに戻ったようだ。ウオーミングアップ場といっても、競技場の周りの車の駐車場で、凸凹に舗装されており土さえも見えない。スパイクなど履くことは出来ないし、ウインドスプリントもままならない。まあジョギングと体操しか出来ないかと覚悟を決める。それにしても、みんな条件は一緒だから、文句を言っても始まらない。
競技場にしても、競技場も周りのウオーミングアップ会場になっている駐車場にしても、当然のことではあるがみんな視覚障害者である。世界中にこれだけの視覚障害を持つ競技者がいるのかと驚かされる。しかし、今回ブラジルに集まっている競技者は標準記録を突破してきた世界の一流競技者である。
世界中には、この何倍、何十倍もの視覚障害の競技者がいることになる。目が不自由なことなど、なんでもないというような顔をして競技に取り組んでいる。そこには健常者の競技とはまた違った、独特の世界がある。それを表現しようにも、まだ言葉を持たない。これは実際に見てもらうしか仕方がない。
そして、こうして世界選手権大会に出場することの楽しみは、前回の大会で一緒に闘い友となった人々に再会できることである。今回も、去年の世界選手権の三段跳びで白井と闘い世界チャンピオンに輝いたスペインの選手のコーチとアシスタントコーチと練習会場でばったりと出会い、握手を交わし再会を喜び合ったことである。
同じ種目で同じ立場で競技の場では闘い、競技を離れると友として触れ合えるというのはなんとも嬉しい。今度いつ会えるか分からないが、会っている今は間違いなく友である。こういう友を世界中に持つことも、また楽しからずやである。
明日は三段跳びの試合であるが、前回のオランダに集まった世界の強豪が大体来ているようである。白井も順調に仕上がり、明日の試合を楽しみに待っている。とりあえず前回のオランダ世界選手権大会での7位という結果を、どれだけ上げて行けるかということである。
まだまだ、メダルを狙うなどとは言えない。世界の強豪に名前を覚えてもらうことから始めなければならない。日本に白井という選手がいることを印象付けられたら成功である。
矢野
